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井ヶ田製茶北郷茶園

新緑の時期になると聞こえてくる「新茶」のひびき、今年もおいしい新茶の季節がやってきたと感じられます。
新茶は不老長寿の縁起物として、新茶を飲むとその年は無病息災に過ごせると伝えられています。

ところで、お茶は品種や栽培する地域により茶葉の摘採時期に違いがあることをご存知でしょうか?
摘採とはお茶の葉を摘み採ることです。

お茶は年2~3回茶葉が摘み採られ、時期によりお茶の味や特徴にも違いがあります。
正しい摘採時期を知り、おいしい新茶を楽しみましょう。

新茶の摘採時期

お茶の摘採時期は茶摘み歌で「夏も近づく八十八夜~」とうたわれるように、立春から数えて88日目の5月2日(平年)あたりが一般的な本州での新茶の茶摘み時期です。

しかし、地域やお茶の品種、その年の気候などによって摘採時期は、一律ではありません。

あたたかい九州地方の鹿児島は摘採が早く、4月上旬あたりから始まります。
逆に、冷涼な地域になれば、八十八夜を過ぎてからとなる場所もあります。

このように、地域によって摘採時期が違いますが、井ヶ田製茶北郷茶園のある宮崎県は4月中旬~5月中旬が新茶の摘採時期です。

摘採機

新茶の摘採から店頭に並ぶまで

新新茶の摘採時期をご承知いただけたところで、次は茶葉の摘採とその後をご紹介します。

摘採方法

お茶の摘採方法は大きく分けて、手摘みと機械摘みがあります。

近年はほとんどが機械摘みで、井ヶ田製茶北郷茶園でも乗用型摘採機を使って茶葉の摘み採りが行われています。
省力化はもちろんですが、摘採面の高さが一定になるため、可搬型摘採機よりも均質な摘採ができます。

摘み採られた葉は新鮮さを保つために、茶畑に隣接する黒山工場に運ばれて荒茶加工されます。
その工程は次のような流れです。

蒸熱

1.蒸熱(じょうねつ)

茶葉の酸化酵素の働きをとめるために、高温の蒸気で蒸します。
蒸しの時間の長さにより、お茶の味や香りなどが変わるため、この工程には熟練された勘と経験が必要です。
蒸された葉に風を当てて、粗熱と残る水分を取り除きます。

葉打ち

2.葉打ち

葉を傷つけないように乾燥した熱風を当て、打圧を加えて葉の表面の水分をとります。

粗揉

3.粗揉(そじゅう)

茶葉に熱風を当てながら揉みます。この工程では、葉をやわらかくして、できるだけ均一に乾燥させ、水分をとばすのが目的です。

揉捻

4.揉捻(じゅうねん)

粗揉で取り除けなかった水分をとばしたり、揉み不足を補う工程です。
葉の固い部分の中心から、水分をしっかりと揉み出し、水分を均一化します。

中揉

5.中揉(ちゅうじゅう)

さらに熱風を当てながら揉みます。
水分をとばす工程を重ねた茶葉は団子状になっているため、ほぐしの工程も行います。

精揉

6.精揉(せいじゅう)

私達がよく知る細長い形の茶葉に揉みながら整えられます。
この時の重量は、摘採時の1/3の重さです。

精揉

7.乾燥

最後にもう一度乾燥させ、荒茶が完成します。
この時の重量は、摘採時の1/5の重さです。
荒茶を仕上げ加工(選別やブレンド・焙煎)したお茶が、私達が飲んでいる煎茶です。

普段なにげなく飲むお茶は、このような数多くの工程を経て製造されています。
摘採時期と製造工程を知ることで、ティータイムがより充実した時間になれば幸いです。


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